上野の集合住宅

首都高の高架という悪条件をプラスに変える、上階が迫り出したT型フォルム。

共用廊下は、光と風が抜ける空中広場のようなコミュニティスペース。

上野の杜を望む敷地に建つ、SRC造14階建て全60戸の賃貸集合住宅です。

構造は鉄骨鉄筋コンクリート造とし、床にはPCスラブを採用するなどして、建設コストを抑えています。

首都高の高架に隣接するという立地条件のハンディを克服して、若者層をメインターゲットとした集客力のあるデザインが求められました。そこで、高架より高くなる8階から上部を片持ち構造(キャンチレバー)で2.4mオーバーハングさせています。これによって、住環境のよい上層階に床面積の大きな住戸を配置することができ、建物全体の事業収支スペックを向上させることができました。また、歩道から見ると、上階が迫り出した迫力のあるボリュームが、高架の存在感に負けないオリジナリティある外観となっています。


EVから玄関に至る共用部分を、光庭を囲む空中広場のような空間としてデザインしました。

ここは自転車を置いたり(自転車が載る大きさのEVを採用しています)、ご近所と挨拶を交わしたりするようなコミュニティスペースとして位置づけています。SOHOやスモールオフィスのアプローチとしても似合う、光と風の抜ける明るい空間となっています。


基準住戸は、上層階の33m2前後の1LDKタイプと、下層階の26m2前後の1Rタイプの2種類があります。1DKタイプはLDKとベッドスペースがスキップフロアによって区切られながら、ワンルーム的にも使えるデザインです。収納は自由に動かすことができ、壁際に寄せたり、間仕切り代わりにしてプランを自由にレイアウトすることができます。

所在地 :東京都台東区

竣工  :2006年

規模  :地上14階、地下なし

戸数  :計60戸

住戸形式:1LDK(31.5~36.5m2)、1R(25.3~29.6m2)

敷地面積:302.23m2

延床面積:2,575.20m2

構造  :SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)

共同設計:team2DK

施工  :株式会社新井組

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